DVMとは
" Design Verification Module"の頭文字(DVM)で、設計した電源用回路が電圧変動、負荷や温度変化等に十分な信頼性があるかどうかを最終的に検証するモジュールとして開発されました。 SIMetrix /SIMPLIS に付加して使用するモジュールで、どの型番の製品にもオプションとして使用できます。SIMetrix/SIMPLISの設計検証モジュール(DVM)により、一連のシミュレーションを通じて設計回路図を実行し、測定結果を記録し、回路の性能を詳しく記したテストレポートを自動作成することができます。DVMは内蔵のテストスイートとセットで提供されますが、その真の強みは、ユーザーが規定してのテストプランをサポートする機能です。比較的簡単な構文を使い、テスト定義として回路のパラメーターを設定し、コンポーネントの値を割り当て、解析の指示文を指定し、出力レポートに含める波形を選択することができます。5分程度の設定を行うだけで、DVMで使用する回路図の作成が可能です。
使い方
- DVMコントロールシンボルを置く
- DVMを実行するには、SIMetrixまたはSIMPLISの回路図、一つの特別なシンボル(DVM制御シンボル)、実行するテストについて詳しく記したテストプランファイルのみです。基本的なDVM制御シンボルを使った回路図を、テストプランと組み合わせることで、以下を行うことができます。:
- シミュレーションエンジン(SIMetrixとSIMPLIS)を切り替える
- シミュレータ独自の解析指示文を指定する(SIMPLIS:.AC、.TRAN、.POP SIMetrix:.AC、.TRAN、.DC、.OP、.NOISE)
- .VAR、.GLOBALVAR、.PARAMの値を割り当てる
- 追加のシミュレータ入力ファイルを示すために、.INCLUDE命令文を作成する
- .TEMP指示文を使って温度を設定する(SIMetrixのみ)
- コンポーネントインスタンスの属性値を変更する
- ソースと負荷の定義
- 高度なDVMの電源/負荷コンポーネントを活用することで、PowerAssistという追加機能を使えるようになります。基本的なPowerAssist を使えば、テストプランに応じて、テスト毎に電源や負荷の定義を自動的に変更することができます。
- 対応している電源の種類:
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- DC 電圧源
- RAMP電圧源
- PULSE電圧源
- ユーザ定義サブサーキット
- 対応している負荷の種類:
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- DC 電流原
- 抵抗負荷
- RAMP電流原
- PULSE電流原
- ユーザ定義サブサーキット
- DVM コントロールシンボルの設定
-
最後に、DVM制御シンボルを右クリックし、「Edit Additional Parameters」→「 Configure Sources and Loads」を選択すると、DVMで管理したい回路図上のDVM電源/負荷を選択することで、Full PowerAssistを有効にすることができます。続いて、設計の仕様を入力し、回路図の解析パラメーターをカスタマイズします。設計情報の入力が完了すれば、あとはDVMに以下の解析を行うよう指示するだけです。
- AC解析:
-
ボード線図
伝導妨害感受性
入力インピーダンス
出力インピーダンス - 過渡解析:
-
ステップ負荷
ステップライン
起動
短絡回路 - 定常状態解析:
-
周期的な動作点(POP)
ラインと負荷の変動率
- テストレポート
- テストスイートが完了すると、DVM(設計検証モジュール)によって概要レポートが作成され、仕様と比較して実際の回路性能がどうだったのかを確認することができます(Full PowerAssistのみ)。この概要レポートでは、さらに掘り下げて個別のテスト結果を確認し、測定結果、静止波形グラフィックや波形のローデータを検証することができます。テストレポートの例はここでご覧ください。
DVMについてのさらに詳しい説明はSIMPLIS Technologies社.のWebsiteのここをご覧下さい。