マルチコアシミュレーション
- マルチコアプロセッサーによりシミュレーションの高速化を実現
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現在ではほとんどのコンピューターに最低2つのCPUコアが搭載されており、4つ以上搭載されていることもよくあります。SIMetrixもSIMPLISもこのハードウェア性能を活用することで、シミュレーションの実行時間を短縮することができます。これは、特にモンテカルロ解析やマルチステップ解析のようにシミュレーションを複数回実行する場合に有効です。
- SIMetrixのマルチコアサポート
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SIMetrixは次の二つの方法でマルチコアシミュレーションに対応しています。
- ・マルチスレッド・シングルラン – シミュレーションプロセスの一部を並行して実行することにより、個々のシミュレーションの実行時間を短縮します。これは特に、同じ種類のコンポーネントが多数使用されている大規模回路(集積回路等)の場合に最大の効果を発揮します。中規模回路についても、ある程度の高速化が可能です。
- ・マルチステップのシミュレーション、特にモンテカルロ解析を、複数のコアの間で分散して効率的に実行します。通常、非常に小さな回路の場合でも、4コアのマシーンであれば、3倍近い高速化を実現します。
- SIMPLISのマルチコアサポート
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SIMPLISもSIMetrixと同様に、モンテカルロ解析やマルチステップシミュレーションを複数のコアの間で分散して実行することができます。通常、非常に小さな回路の場合でも、4コアのマシーンであれば、3倍近い高速化を実現します。
- 4コアか16コアか?
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SIMetrixプロとSIMetrix/SIMPLISプロは4コアに対応、SIMetrixエリートとSIMetrix/SIMPLISエリートは16コアに対応しています。SIMetrixで一つのシミュレーションを実行する場合には、通常4コアで最大の効果を上げることができます。しかし、モンテカルロ解析やその他のマルチステップのシミュレーションを行う場合には、コアの数が多い方が高速化のメリットが長く続くため、より多くのコアに対応しているSIMetrixエリートとSIMetrix/SIMPLISエリートの方が大きな効果をもたらします。
- 対象者
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SIMetrixまたはSIMPLISでモンテカルロシミュレーションをされたい設計者
SIMetrixで大規模回路のシミュレーションを行う設計者
リアルタイムノイズ解析
- リアルタイムノイズ解析とは?
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過渡解析において実際のノイズをシミュレーションします。すべての製品に搭載されている小信号ノイズ解析は、固定のバイアス点における理論上のノイズを解析するものであり、リアルタイムノイズ解析はそれとは明確に異なります。
- 仕組みは?
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リアルタイムノイズ解析を有効にすると、ノイズを出すすべてのデバイスにリアルタイムノイズソースが追加され、小信号ノイズ解析の場合と同じ計算式を用いて、ノイズの大きさと周波数が計算されます。これにより、サンプルデータシステム、ミキサー、発振器等、小信号解析では解析できなかったシステムについても、ノイズ解析を行うことができます。
- 対象者
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リアルタイムノイズ解析は、主にRF回路のアナログIC設計を行うエンジニアにとって有用でしょう。また、ディスクリートデバイスを使ってPCBベースの回路を設計するエンジニアにも役立つかもしれません。
- 動作の詳しい説明
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Verilog HDLとVerilog-Aのサポート
- Verilog-HDLとは?
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Verilogは、ICやFPGAの設計により好んで使われるハードウェア記述言語です。Verilog-HDLの機能は、アナログ回路と共にVerilogのデジタル設計を含めることにより、クローズループのミックスシグナルシミュレーションを行えるようにします。それにより、アナログのフロントエンド、バックエンドとにVerilogを使ったデジタルシステムとの相互作用を調べることが出来るようになります。
- Verilog-Aとは?
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大部分のSPICEプログラムでは、任意のソースによりアナログビヘイビアモデリングが実行されますが、Verilog-Aはそれをより高度にしたものです。しかし、任意のソースでは一つの静的方程式しか実行できないのに対し、Verilog-Aはルーピング、イベント、条件文、配列、その他高度な機能を多数揃えた言語となっています。さらに、Verilog-Aはバイナリコードにコンパイルされるため、高速且つ効率的です。
Verilog-Aは幅広い用途に適しています。例えば、半導体デバイス、ビヘイビアモデル、電気機械システム、DSP機能、A-D/D-A変換に有用です。また、Verilog-Aを使ってデジタル関数を実行することも可能です。A-Dインターフェースを必要としないため、簡単なデバイスの場合には、デジタルで行うよりも効率がよい場合もあります。 - 主な特長
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完全に統合されたオープンソースのVerilogsシミュレータと共に提供されます。
Verilog-Aアナログモデリング言語コンパイラ
Mentor GraphicsのModelsimを完全にサポートしており、サードパーティのVerilogシミュレータを使用することも可能です。
- 対象者
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回路シミュレータを拡張し、業界標準のVerilogハードウェア記述言語を使用したいと考えているエンジニア
高度で高性能なアナログモデルを必要とするエンジニア
基本的なIC回路設計機能
- 基本的なIC回路設計機能とは?
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基本的なIC回路設計機能には、バイポーラとCMOSの両方について、多くのIC設計を行うのに十分な機能が含まれています。
- 主な特長
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Hspiceと互換性のあるLevel 49とLevel 53を含むBSIM3モデル
Hspice構文を使ったプロセスコーナー選択
HSpice構文を使ったデバイスビニング - 対象者
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バイポーラプロセスまたは従来のCMOSプロセスを使用しているIC設計者。さらに高度なプロセスへの対応については、高度なIC回路設計機能をご覧ください。
- お客様からのコメント
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「特殊な市場向けのアナログ-デジタルICの設計を行っていますが、それを成功させる上でSIMetrixは大きな役割を果たしてきました。CMOS製品の設計に使用していますが、使いやすく正確です。www.holtic.comに掲載されている当社のカタログのうち、約90%の製品はSIMetrixを使って設計されました。
Holt IC社 Bill Holt氏
高度なIC回路設計機能
- 高度なIC回路設計機能とは?
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より高度なモデルや設計テクニックをサポートする機能です。
- 主な特長
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MOSモデル:BSIM3、BSIM4、PSP、MOS9、MOS11、他
過渡スナップショット
バイポーラモデル:Hicum、VBIC、Mextram
R3レジスタモデル
NXP Simkitモデル - 対象者
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最新のCMOSおよびBi-CMOSプロセスに求められる高度なモデルに対応する必要のあるIC設計者。